別府市議会の令和5年第1回定例会③

各委員長から審査結果の報告が行われた

 別府市議会は7日午前10時、令和5年第1回定例会の本会議を再開して、3つの常任委員会の委員長報告などを行った。委員会では、令和5年度予算案を除く議案が審査された。
 三重忠昭観光建設水道委員長は「株式会社イズミからの企業版ふるさと納税による新図書館プロジェクトへの寄付について、委員から、今回の寄付と過去の立地協定の位置づけの整理など、議会への説明が不十分であるため賛成できないとの意見があった。また、有害鳥獣の捕獲頭数の増加が見込まれるための補正について、委員から被害対策に関する意見があった」とし、市有泉源施設等や街灯など光熱費の高騰による予算計上が行われたことなどを報告した。
 荒金卓雄厚生環境教育委員長は「令和2年10月より休所中の少年自然の家おじかにおいて、基本計画策定委託業務を一般競争入札により公告したが、入札不調となり、再度公告し、年度内での事業完了が見込めないことから、事業費を繰り越すとの説明があった。屋内運動場等空調設備整備事業について、工事請負契約を締結するため、条例の規定により議会の議決を求める説明があり、委員から、何故予定価格を事前公表することに決定したのか。入札価格が高止まったのではないかとの質問があり、市の重点事業であり大型事業であるため、市建設工事競争入札参加資格審査委員に諮り、品質確保のため事前公表を行った。県内でも多くの自治体が予定価格を事前公表しており、最低制限価格も設定して事前公表しているとの説明がされた」などと報告した。
 阿部真一総務企画消防委員長が「鉄輪地獄地帯公園防災研究所の設置及び管理に関する条例の制定についてで、市民に防災研修やコミュニティ活動の場を提供すること、また、災害時の避難場所として活用できる防災研修所を同公園内に設置することに伴い、条例を制定するとの説明が行われた。委員からは、なぜ使用料を徴収するのかとの質疑がなされ、当局から、防災研修の使用ではなく、コミュニティの場として活用する場合においては、受益者負担の原則により使用料が発生する旨の答弁がなされた」などと報告した。
 討論では、平野文活氏(日本共産党議員団)が「別府市個人情報保護法施行条例の制定と市個人情報保護審査会条例の制定について反対する。現在の市個人情報保護条例を廃止し、国の法律で全国共通ルールに置き換えるもの。保有する個人情報は、公権力を行使して義務として提出されたもので、多岐にわたる膨大な情報量が蓄積されている。匿名加工されるとはいえ、民間企業にも開放される。プライバシーにかかわる個人情報を本人が知らない間に民間企業が利活用できるようにする条例には反対。屋内運動場等空調設備整備事業について、事前公表により高止まりになっている」と批判し、反対討論を行った。
 採決が行われ、一部の議案に対して反対があったため、多数決を行い、すべての議案が原案どおり可決された。
 また、一般会計補正予算案として、3500万円を計上。参議院大分県選出議員補欠選挙が行われる見込みのため。長野恭紘別府市長が提案理由を説明。全会一致で可決された。
 定例会は本会議を休会し、8日から10日まで、全議員で構成する予算決算特別委員会を開いて、令和5年度予算案について審議を行う。