東部保健所管内16医療機関で

車椅子に乗って患者の気持ちを体験した

 大分県東部保健所は15日から19日まで、別府市、杵築市、日出町の16医療機関で、令和5年度の「ふれあい看護体験」を実施している。
 12日の「看護の日」と7~13日の「看護週間」の事業の一環で、高校生に看護の現場を体験することで、将来、看護職への関心を高めてもらうのが目的。別府鶴見丘、別府翔青、杵築の各高校2・3年生80人が参加する。
 別府市秋葉町の中村病院(中村英助院長)では15日午前9時、別府翔青高校3年生4人が参加。病院から白衣を借りて、中村院長がたすきをかけた。
 普段あまり入ることがない、手術室や放射線科、リハビリ室を見学。手洗い体験では、感染認定看護師から、衛生的な手洗いを学び、実際にやってみて思ったよりも洗えていないことを体感。
 看護体験では、お互いに血圧を測ってみたり、心臓や肺の音を聴診器で聞いたり、車椅子に乗って患者の気持ちを体験した。車椅子は何も伝えずに急に動きだしたり、段差を超えるために持ち上げられたりすると「怖い」ことを体験。ちょっとしたスピードでも「すごく怖い」と話し、的確な声かけをすることの大切さを学んだ。また、車椅子に乗って自分で動かしてみて「とても難しい」と車椅子の人の気持ちを感じていた。さらに、先輩看護師から「患者さんの一番近くにいて、一番長くいるのが、看護師。予防的な視点も大切」などと学んだ。
 沖本莉菜さん(17)は「将来看護師になりたいと思い、実際にどういうことをしているのを知りたかった。手術室に入ってみて、患者さんは怖い気持ちで臨んでいるんだなと思いました」。江川すみれさん(17)は「普段見ることが出来ない内部を見たいと思いました。ストレッチャーに乗せられて、患者さんの気持ちを知ることが出来ました。将来は、助産師になりたい」。
 鳥山美空さん(17)は「将来助産師になりたいという夢に関係しているので、少しでも近くで仕事を見ることが出来たらと思いました。普段見ることが出来ない場所を見られて、経験になった」。豊田姫花さん(17)は「看護師に興味があって、将来なりたいと思ったので、参加しました。病院にあまり来ることがないので、色々と見ることが出来て良かった。手術室の中を見たことが印象に残っています」とそれぞれ話した。
 宇都宮里美看護部長は「看護師が少ない中で、将来看護師になってくれる学生はとても大事。体験を通じて、是非、看護師になってもらいたい」と話した。