47事業計画を決定

約50人が出席した別府保護区保護司会の総会

 別府保護区保護司会(髙橋護会長)が令和5年度総会を11日午後2時、別府市社会福祉会館多目的広場で開催し、約50人が出席した。
 髙橋会長が「地域の安全安心な生活のため、保護司として活動している各位に心より感謝申し上げます。チャリティーゴルフの益金で今年3月に別府市防犯協会に防犯パトカーを寄贈しました。防犯パトカーが地域の方々の生活に寄与できれば嬉しいです。別府市の社明運動を考えますと、今日まで17校区の社協が中心となり運動をしてきました。この社明運動は、私たちが積極的に参加しながら、今まで以上に保護司と行政が連携をしなければと思います。別府保護区の最大の課題は、令和12年になるまでに多くの保護司の方が定年を迎えます。持続性のある保護司の確保が必要です」。
 仲野智之・大分保護観察所長は「保護司の皆さんは、保護観察対象者の立ち直りの支援、社会を明るくする運動の推進などに尽力していただき感謝します。犯罪が減少することは、社会にとってそして更生保護に関わる者としても良いこと。一方、犯罪の検挙者に対する再犯者の割合が半分以上というデータがあります。犯罪者や非行に走った少年らが、立ち直り犯罪をしないようにすることが難しいことなんだと思う。社会復帰、再犯防止のため、住居や就職などの支援をしています」。
 続いて来賓の長野恭紘別府市長は「チャリティーの益金でいただいたパトロールカーをしっかりと活用して、町の更なる安全安心に寄与していきたいと思います。再犯率が5割ということは、犯罪を犯した人が地域で受け入れられにくい、仕事につきにくい状況が続いていることが課題。別府市において昨年、再犯防止推進計画をたてました。今年から運用して再犯率を下げる努力を皆さんとしていかないといけない」。
 後藤久典別府警察署長は「全国の刑法犯認知件数は減少傾向にありますが、再犯が半数に及んでいます。犯罪の無い安全で安心して暮らせる社会を実現するには、警察の力だけではなく、罪を犯した人の更生を通じて犯罪や非行のない社会の実現を図ることが必要。別府市の昨年の刑法犯認知件数は386件で、前年と比較して5・8%増加しています。今年に入っても増加傾向は変わらず、10日現在で151件で前年同期比27・8%増加となっています。特殊詐欺も増加傾向にあり、7件225万円を超える被害が出ています。手口は日に日に巧妙化しており、被害防止対策は予断を許さない状況。別府警察署としては、凶悪犯罪の徹底検挙、特殊詐欺被害防止、児童虐待やDV事案などの対策を積極的に推進し、別府市の安全安心確保に向けて署員一丸となって取り組んでいます。今後は、皆さんとの連携を強化し、被害防止のために情報発信をはじめとする地域の防犯活動への積極的な支援や少年の立ち直り支援などの犯罪抑止活動を取り組んでいこうと考えていますので、皆さんのより一層のお力添えをお願いします」とそれぞれあいさつした。
 また来賓の乙咩千代子別府地区更生保護女性会会長代行、田辺裕別府市民福祉部長、入田純子別府市高齢化福祉課長が紹介された。
 髙橋会長が議長を務め、昨年度の事業、決算、監査が報告された。
 今年度は、定例研修会、第73回社会を明るくする運動の一環の第10回チャリティー記念ゴルフ大会、薬物乱用防止街頭啓発活動など49事業計画を決め、予算を計上した。
 総会終了後、研修会が行われ、竹田光貴・大分保護観察所観察官が「薬物依存症の社会資源」をテーマに講話した。