亀川夏まつり協会長

義を重んじる生き方を

溝部 仁(みぞべ ひとし)さん(75)

 「亀川商店街から大分銀行とマルショクが撤退して、亀川のまちは衰退するばかり。空き家も増えました。何とか地元を活性化しなきゃいけないと、会長を引き受けたんです。盆踊りと花火の亀川夏まつりをやり、少しでもにぎわいを取り戻したい。スーパーがないと買い物ができないと高齢者は困っています。スーパー誘致の陳情もしたい」
 学校法人・別府溝部学園理事長の職は多忙なのに、なぜ、まつりの会長なのかと思ったら、地元意識と義侠心からだった。地元自治会と別府市も、この人物ならと任せることになった。
 会長就任は令和3年10月で昨年はまつりが中止になった。今年は2年ぶりの亀川夏まつりを8月5日、亀川漁港で開催する。
 「別府市に補助金をお願いしていますし、自治会の役員と一緒に地元企業に寄付金集めに歩きます。手づくりの楽しい亀川夏まつりを復活させたい」と意気込む。
 亀川夏まつり協会の基幹組織だった「さんもく会」の創立メンバーで、すでに実行委員長の役職も経験済み。
 再登板だが、実行委員長当時、亀川に伝わる古文書など歴史的な記述をもとに、会員らの先頭に立ち、子ども神楽や山車の復活に心血を注いだ。古来の衣裳を再現、舞いの振り付けや、歌舞音曲の歴史的再現を手がけた実績は、学校法人の経営者、教育者としての矜持を垣間見せた。
 昭和22年8月6日、亀川生まれの亀川育ち。75歳で「もう後期高齢です」と笑う。
 趣味は読書。司馬遼太郎のファンで「街道を行く」「燃えよ剣」が愛読書。特に「燃えよ剣」の登場人物、土方歳三の義を重んじる生き方を尊敬する。
 毎年、卒業式・入学式のシーズンになると、そのときどきのベストセラーを連読、式辞のネタにする。学生や教職員が「いい話でしたよ」と言ってくれるのを励みに、せっせと本屋通いをする。