米上下両院の中間選挙は、民主党がとくに下院で終始、圧勝。有権者の民意が反映された結果となった。共和党はMAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)旋風も失速した。
敗因は、何といってもトランプ大統領の相次ぐ暴言(失言ではない)と強固な政治姿勢。ただ中国、ロシア、北朝鮮という手強い相手には低姿勢が目立った。共和党の敗北はただただこのトップリーダーの失政に他ならない。大統領令の強じん性には改めて驚く。麻薬撲滅のためには一国のトップを拘束して、戦争状態を作り上げる。世界のインフラを再構築して「アメリカファースト」を提唱する。関税を極端につり上げ、米国産品最優先の経済政策を掲げる。核武装を許さず、経済制裁から地域戦に突入、力で相手をねじ伏せる。経済政策方針の発令はなぜか、株価の変動を呼び、一族に利益を誘導する。イエスマンを集め、NOや批判勢力の台頭をことごとく破壊していく。――枚挙にいとまのない「言動」「行動」は刑法に抵触しないのか。当然国家権力を駆使して利益を誘導するトップリーダーと言えど、法治主義国家としては明らかな「レッドカード」だ。
米英の法は判例主義による。犯罪行為や違法の有無で法律が出来上がる。米の大統領は、過去に親族への利益誘導を行った歴史がない事から、法に抵触する行為自体、取り締まる法がない。立証性も希薄である。現行法での立件は難しいという。エーブラハム・リンカーンもジョージ・ワシントンも、セオドア・ルーズベルト、JFケネディーも誰も個人の「実績」はなかった。しかし今回は、トランプ氏が前例を積み重ねた事で、大統領を取り締まる法体系も確実に構築できるのではないだろうか。上下両院のチェックも充実するのでは。
先の第1次世界大戦、第2次世界大戦勃発の原因の一つには欧州各国の関税の重圧感や、工業資源の禁輸措置など経済的圧力によって発生した。経済戦争である。決して単なる政治イデオロギーの相異ではない。
トランプ氏はさらに、度重なる戦争行為や地域紛争のくり返しによって軍人をはじめ一般の人々、老若男女、社会的弱者など多くの血を流し続けてきた。「アメリカファースト」は他国の人々の殺戮や苦難の上に築き上げてきた。このままでは「アメリカ(米国)・ファースト(断食)=米国の断食」を迎えることになるかもしれない。
最近はMAGAよりMANA(メイク・アメリカ・ノーマル・アゲイン)=アメリカを再び普通の国へが流行っているそうだ。 (陽)
