市長選現職と新人が届出

 16日に告示された別府市長選挙は、届出順に現職の長野恭紘候補(48)と市民活動家の小手川裕市候補(55)が立候補をし、1週間にわたる戦いの火ぶたが切られた。
 長野候補は、2期8年の実績を掲げ、「そして、次の百年へ」をテーマに、こどもまんなか社会の実現や安全・安心、健康・福祉、産業・観光の振興、地域課題の解決など多くの施策を掲げている。
 小手川候補は、格差の是正を訴え、1年間、時給千円で働くことや、日本一の観光地を目指して、観光資源サービスなどをつなぎあわせ、情報を発信。留学生らに憲法9条を知ってもらい、自国に広めることで別府から世界を平和になど5つの公約を掲げている。各候補の第一声を紹介する。

長野恭紘候補が壮行会で第一声

壮行会で思いを語る長野候補

 3期目を目指す、現職の長野恭紘候補は午前10時、別府公園で壮行会を行った。
 瑞木一博後援会長があいさつ。来賓の岩屋毅衆議院議員らが次々とマイクを握り、エールを送った。
 長野候補は「私には夢があります。寝る時に、このまちに生まれて良かったと感謝と共に床につき、一度は別府を離れた人が別府に戻りたいという時、いつでも戻ってこれる。そういう別府の未来を作りたい」
 「コロナも明るい兆しが見えているのは、皆さんが歯を食いしばって苦境を乗り越え、光を勝ち取ったものと思っています。本当に感謝しかありません。今日、48歳になりました。これから1週間、多くの皆さんと握手して、意見を聞くことが出来る。こんな素晴らしいプレゼントはなく、ありがたいことだと思う。来年、市制施行100周年になる。偉大なる先人に心から感謝をしなければならないと思います。しかし、同時に、私たちは次の100年に向かって、スタート地点に立っているということも言える。次の100年へ、これが大きなテーマ。子や孫に誇れる別府市を一緒につくっていきたい」とし、▽こどもまんなか社会の実現▽新湯治・ウェルネスツーリズムの推進▽温泉マネジメントシステムを掲げた。
 「楽な選挙などない。皆さんと会える機会を最大限生かし、未来のための政策を訴えたい」と話し、車に乗り込み出発した。

小手川裕市候補が駅前で第一声

駅前で演説をする小手川候補

 小手川裕市候補は午前9時過ぎ、JR別府駅東口の広場で第一声をあげた。
 小手川氏は「皆さんの人権が尊重される社会にしたい」と切り出し、「共に、別府市を世界一の観光地にしたい。世界一の観光地になれば、おのずと、皆さんの所得は上がるはず」と主張。
 「人権が尊重される社会にするためには、まず市長自身が給料を引き下げること。職員の給料は、非正規を含めて低い中で、市長の給料は、大分市に次いで2番目に高い。非正規職員をみると、県下14市の中で3番目に低い。何故、こんなに開きがあるのか」と疑問を呈した。
 また「市長は市民への最大の奉仕者。非正規職員への目配りが出来ない状況が続いている中では、職員が1つにまとまらない。市民の気持ちも1つにまとめて、世界一の温泉地にしたい」と訴えた。
 さらに「共に安心して暮らせる社会、命、健康が守れる別府を作っていきます。そうすれば、少子化問題も解決する。共に、新しい別府をつくり、別府から世界を平和に出来るような、多くの人が笑顔で暮らしていける世界へと別府から始めたい。是非、お願いします」と思いを語った。
 その後、「頑張ろう」コールをして、仲間に見送られながら、出発。
 市内各所を回って、街頭で演説を行い、支持を訴えた。