別府市は、令和4年度の決算見込みを令和5年第3回別府市議会定例会に上程。市議会は全議員で構成する予算決算特別委員会(吉冨英三郎委員長)を設置し、12日から15日まで、審査等を行う。
一般会計の決算規模は、歳入は614億6729万7千円で、前年度と比べ1・4%減となっている。新型コロナウイルス感染症に係る軽減措置が終了したことや家屋の新築増加など、観光業が回復基調にあり入湯税が増収になったことなどにより、地方税が約9億円増加。国庫支出金は、令和3年度の住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金支給などの反動減となり12・4%減。地方債については、臨時財政対策債発行額の減少や大型事業の完了などにより減少。
歳出は、603億7159万4千円(前年度比0・5%減)。民生費は、臨時特別給付金の給付などに伴う反動減などで、3・1%減った。教育費は、学校給食共同調理場の建設や、図書館等一体的整備事業などによって前年度と比べ20%増加した。公債費は、亀川地区市営住宅集約建替事業債や別府西中学校建設事業債の本格的償還が始まったことなどによって、前年度比10・8%増えた。
歳入から歳出を差し引いた、形式収支は10億9570万3千円で、翌年に繰り越すべき財源を引いた実質収支は、6億9555万2千円の黒字となった。経常収支比率は、令和3年度の特別な財政措置が終了したことから、96・1%となり、前年度比で5ポイント上昇したが、財政措置があった令和3年度を除くと、改善傾向にある。
特別会計は、国民健康保険事業、競輪事業、公共用地先行取得事業、地方卸売市場事業、介護保険事業、後期高齢者医療の6つがあり、決算規模は、歳入総額658億5601万7千円、歳出総額647億7932万円で、実質収支は10億7669万7千円となっており、全ての特別会計で黒字だった。
令和4年度は、新型コロナ対策を講じながらも、共生社会の実現に向けた取り組みを実施している。主な事業は▽PCR検査センターの開設による検査体制の強化▽窓口のキャッシュレス決済の導入▽18歳以下の子育て世帯に対するクーポン券の配布▽プレミアム商品券の発行▽給食費の補助▽バリアフリー調査に基づく歩道等の段差解消や生活道路の改善▽公園トイレのバリアフリー化
▽「ユニバーサルツーリズムの推進」「観光DX」「免疫力日本一宣言の実現」「食×観光」の4本柱による魅力向上、持続可能な観光地づくり▽子ども医療費の助成対象の拡大▽金融教育やプログラミング教育の推進▽部活動の充実▽スクールソーシャルワーカーの拡充などに取り組んだ。
上下水道局の決算見込みは、水道事業会計が、収入24億9118万6千円、支出22億3916万4千円で、純利益は1億7786万4千円。一方で、水道施設整備などに伴って発生する収支では、収入が1億526万5千円、支出が11億4491万5千円となっており、10億3965万円が不足額となり、過年度分損益勘定留保資金や減債積立金など充当している。
公共下水道事業会計は、収入が19億4958万3千円で、支出は21億1251万9千円となっており、2億1906万8千円の純損失を計上している。施設整備などによって発生する収支は、収入が16億5082万2千円、支出が22億482万7千円で、5億5400万5千円が不足となり、過年度分及び当年度分の損益勘定留保資金を充当している。