別府大学(友永植学長)は10日午前10時40分、長野恭紘別府市長を招いて「新湯治・ウェルネス懇談会」を開催した。国際経営学部国際経営学科「地域創生プロジェクト2」の授業の一環。学生約70人が参加。
同プロジェクトは、地域創生、温泉を活用した地域活性を目的に、温泉地の宝物を掘り起こして、どう活かせるかといった授業を実施している。施設見学なども行い、どうすれば客を呼び込めるか、別府の地域活性化につながるかを考えてきた。
長野市長は、これまでの免疫力を高める効果を科学的に証明するための取り組みや、現在実施している市民一斉大計測会などを紹介し「大事なことは、温泉入浴と何かをかけあわせること。ヨーグルトや炭酸水など、温泉入浴の前後で良いとされているものが、本当はどうなのか、皆さんもトライしてもらいたい。ウェルネスは、自分の体や心が気持ちよい、喜んでいること。自分をよりよくする行動。観光は手段。客がどんどん来ることが目的ではない。楽しんでもらい、お金をいっぱい落としてもらい、それで市民サービスを向上させるのが目的。観光をしっかり推進すると同時に、市民の幸せを高めること。これからは、医療、美容、健康に時間とお金をかけることがトレンドになる」と話した。
また、「新湯治・ウェルネスツーリズム事業」の考えについて「全国の温泉地を巡ってもらうと、別府ほどの都市型の温泉地はないと分かる。施設、ホテル、リラクゼーション、飲食店も沢山ある。今あるものを活用して、何が必要かを補完すればよいだけ。必要なものは、データをとり、解析し、情報をわたすコントロール拠点。ワンストップで調査して、事業者と連携することが必要。循環型の観光地でなければ、世界では受け入れられない。進化していくことが大切」と述べた。
学生からは「プログラムは県内の異業種の人に考えてもらうことはありますか」「温泉と言えば、牛乳だと思うが、牛乳の効果の測定はしているですか」「別府は自然が豊かですが、温泉は有限資源なので、なくなるのではという声をどう払拭していくのですか」などの質問が出た。
長野市長は「温泉療法医が沢山いる。アカデミックに現場でサポートしてくれる人を育て、専門的な領域を持っている人にプログラムを作ってもらい、温泉療法医と現場の人で一緒にやるイメージ」「どういう組み合わせがよいのかは、腸内細菌を調べればわかる。人によって向き不向きがある。細分化したデータをとっていくことが大事なこと」「温泉マネジメントシステムの構築も行っている。温度が少しずつ下がっている所や、深く掘らないと温泉が出なくなっている兆候を見て、量が少なくなっているのではと言われている。デジタル化、見える化して管理していくシステムづくりをしている」などと答えた。