九州大学病院新棟3月開院へ

新棟前で関係者が
テープカットを行い開院を祝った
デイルームからは、
別府湾が一望できる眺望に

 九州大学病院別府病院(三森功士院長)は、3月1日(婦人科は4月1日から)に開院する新病院棟の開院記念式典を12日午前11時、現地で行った。
 同病院は、昭和6年に九州大学温泉治療学研究所の診療科として発足。別府市民からは「温研」として親しまれた。57年「生体防御医学研究所附属病院」に改組され、基礎から臨床への一環した研究診療体制を整備し、先端的医療に取り組んできた。平成15年から九州大学の医学部附属病院、歯学部附属病院、生体防御医学研究所附属病院の統合に伴い、「九州大学病院別府先進医療センター」となり、23年には九州大学病院の分院となり、現在の名称となった。
 病院再開発事業として、令和3年度から新病院の建設工事が始まった。新棟は、鉄筋コンクリート造3階建て。延べ床面積は、約8900平方㍍。設計は、九州大学施設部・㈱梓設計、施工は㈱錢高組、㈱九電工。
 専門領域を軸とした診療を展開し、地域医療に貢献するとともに、本院のサテライト病院としての機能を強化。また、平成18年に一度閉鎖した婦人科の診療を再開する。これにより、内科、外療科、整形外科、婦人科、放射線科、リハビリテーション科の7科体制となる。病床数は、休床中の16床を活用し、120床に。手術室を2室から3室に拡充した。病室からは、海側が別府湾、山側は森林が見え、デイルームは別府湾を一望できる「癒しの空間」を提供する。
 三森院長が「2021年に文部科学省から正式に施設整備事業として承認してもらい、進めてきていよいよ開院となりました。平成18年に閉めざるを得なかった婦人科を、地元住民などの熱い要望があり、再開できます。自分が診てもらいたい病院となるように頑張ります」。
 石橋達朗九州大学総長は「地域生活の質の向上、医療が抱える様々な課題解決に努めていきたい。自然豊かな敷地を有効活用する方法を考えていきたい」。中村雅史九州大学病院長も「先端医療と癒しが一体化する空間が出来ました。これまで以上に強力かつ緊密に連携していきたい」とそれぞれあいさつをした。
 来賓の岩屋毅衆議院議員、俵幸嗣文部科学省高等教育局医学教育課長、長野恭紘別府市長、河野幸治県医師会長が祝辞を述べた。
 引き続き、新棟正面玄関前で関係者がテープカットを行い、内覧のあと、祝賀会を行った。
 再開発事業は、令和6、7年度に既存棟の改修工事・開院、その後、旧病院(病棟)の取り壊し工事を行う予定。