28日まで富永一朗観光漫画展

別府市美術館や佐伯市が所蔵している作品を展示

 別府市美術館(檜垣伸晶館長)は「別府市美術館開館75周年記念 『生誕100年記念 富永一朗 観光漫画展』」を28日まで、同美術館2階企画展示室、企画展示室前で開催している。
 富永一朗氏は1925年、京都市生まれ。3歳のときに父親を亡くし、5歳から父親の郷里大分県佐伯市に移り住む。小学4年生のころから田河水泡氏の真似をして漫画を描き始める。46年、台湾台南師範学校(現国立台南大学)に在学中、学徒動員により徴兵。台南市の高射砲陣地に配属。終戦後、教員免許を取得し、卒業。帰国後は佐伯市内の小学校で図画や理科を教える。51年、上京し、漫画家としてスタート。その後、子ども向けの漫画や貸本漫画を数多く執筆。漫画家としての活動をしている中、89年にふるさと切手「高崎山の猿・大分県」の原画をデザイン。九州で販売された第1号のふるさと切手で、大分県特産のカボスを手にした猿と遠くに高崎山が描かれている。その後、紫綬褒章などを受章し、2021年に没した。
 今回の展示は、富永一朗氏の作品72点、漫画家仲間の出光永、杉浦幸雄、鈴木義司、馬場のぼる4氏が3点ずつ、漫画集団寄せ書き鏡(31人)1点、観光漫画絵葉書3点、別府市美術館移転開館(1984年5月)オープニングセレモニー時の寄せ書き(7人)1点、セレモニーの写真が展示されている。
 写真のほかに「育んでくれた郷土に、心をこめて描いた漫画を残そう……。それが積年の夢でした。別府市がそれを叶えてくれました。彩色はすべて色鉛筆だけですので、じっくり鑑て戴きたいと思います」との富永氏のメッセージが展示されている。