
日本政府観光局(蒲生篤実理事長=JNTO)は独自の取り組みを行った観光案内所を表彰しており、2025年度表彰で「案内所におけるユニバーサル対応」部門でJR別府駅構内にある「ワンダーコンパス別府」が受賞した。これまでも、「連携強化による観光案内の質の向上」部門と「訪日客へのホスピタリティ」部門で受賞をしており、全国で初めて3つの部門で受賞をし、高い評価を得た。
ワンダーコンパス別府は、2019年4月にオープンし、別府観光を中心としながらも、県内各地のパンフレットも置き、ゆったり過ごせる空間づくりをしている。職員は33人で、外国人スタッフもいて、英語以外にも多言語の案内をしている。常に「お客様の困りごとに対応する」ため、自分たちでアップデートをしながら、ニーズを見極め、真に頼られる観光案内所として成長を続けてきた。
今回受賞した部門では、ベビーカーや車いすの貸出に加え、バリアフリーのモデルルート作成やタトゥーフレンドリー情報の提供、手話対応を通じて、多様な旅行者が安心して別府を心から楽しめる環境を整備するとともに、訪れる人のニーズをとらえ、スタッフ自身が楽しみながら自主的に取り組んでいることが評価された。
車いすやベビーカーのレンタルでは、NPO法人自立支援センターおおいたが運営する「別府・大分バリアフリーセンター」と共同で、貸出を行っている。貸出の窓口をワンダーコンパスにし、車いすで利用できる温泉や食事などの情報を共有・提供をするとともに、バリアフリー観光のルート作成でも協力をしている。
手話・筆談での対応は、手話を使う当事者(別府市民)から観光案内に必要な基本的な手話を教えてもらい、動画にしてスタッフで共有。手話が必要な人が訪れた場合には、手話と筆談を使って案内をしている。利用者にもウェルカムな気持ちが伝わり、喜ばれるという。
タトゥーフレンドリーの取り組みは、別府市内にはタトゥーがあっても入れる温泉施設や家族湯といったプライベートな温泉も多くあるため、リストアップして、常に情報提供が出来るようにしている。
どの取り組みも、継続して続けてきて積み重ねたもの。(一社)別府市産業連携・協働プラットフォームBーbizLINK・BIP事業部の稲積京子マネージャーは「観光客の困りごとを何とか解決したい、と常にスタッフみんな考えています。1つの困りごとをチームとして解決する。スタッフだけではなく、地域ともチームとして取り組んできた。自分たちだけで出来ることではなく、地域と連携しているから出来ること。別府全体で協力してやっていることが、ワンダーコンパスの強み。賞をもらうためにやっているわけではないですが、もらうことで認められ、別府のためになると思っています」と話した。
