中塚 茂(なかつか・しげる)氏、死去

 中塚 茂(なかつか・しげる=三洋産業取締役会長)さん、かねて病気療養中のところ9月1日午前1時8分、逝去した。94歳の天寿を全うした。
 中塚さんは1932(昭和7)年、京都府の生まれ。戦時中大分県に疎開、義兄の経営する三洋コーヒーに入社。1973(昭和48)年から三洋産業代表取締役。コーヒーフィルターの実用新案登録と多角経営で業績を次々に拡大、1986(昭和61)年、優良企業として各賞を受賞、2003(平成15)年長男茂次氏が代表取締役に。
 故人の日常は、人に対して分け隔てなく、気さくな人柄で知られた。事業拡大の傍ら個人として事業用品をはじめ日用品の改良、発明にも情熱を傾けた。
 また別府観光経済の玄関口を守る波止場神社の再建にも多額の浄財を寄せた。観海寺周辺の環境整備や、市民の安全安心を守る別府警察署には防犯訓練用資材や防犯教育啓発活動を支えた。80歳後半からの社会貢献では後期高齢者でも社会の第一線で活躍できるという、超人的な能力と体力を自身の肉体をもってこれを証明した。多くの高齢経営者を勇気づけたようだ。
 三洋産業開発のコーヒーフィルターは世界中でニーズが高まる。長男の茂次社長は世界各国各有名店の「指名」を受け、現地で講習会を重ねるなど世界を駆け巡る活躍に目を細めた。
 また、別府商工会議所の議員、常任相談役として力を込めた。故友永文月氏、故津末武久氏らを支えた。歴史を築いた重鎮、歴史の証言者がまた一人、天に召された。
 通夜等の葬送の儀を予定しており、「葬儀はできるだけ質素に。家族だけでいい」と入院加療中から「覚悟」を伝えていたという。
 改めて、お別れの会は四十九日の10月20日午前11時からホテル白菊で開催する。喪主は長男の中塚茂次(なかつか・しげじ)さん。