海の男だ艦隊勤務

 海底での日常は沈黙を強いられ、狭い居住空間では志を同じくする者達が自分を「犠牲」にしながら日々を過ごす。不便過酷な環境は当然の事と受け止め業務に遭進する。――
 海上自衛隊所属の潜水艦はディーゼルエンジンながら、防音、進行速度、機動性はじめ防衛装備は世界のトップクラス。般舶性能に加えて、乗組員の高度な技術力や、特に必要とされる協調性、忍耐力などに秀でた人材が要求されるところ。去る5月、横須賀基地所属の潜水艦に麻生太郎副総理が体験搭乗を申し入れた。当日は休日であり、野党の女性議員は「自衛隊の私物化だ!」と「花見」の次は「船あそび」感覚で痛烈に攻勢の構えに出た。
 確か「仕分け」で陸自の迷彩服が国産ではコストがかかり過ぎるので、外国産にしてはどうかと提言していたあの女性議員ではないか?
 「自衛隊を私物化」という意識の低さには驚く。副総理は最高指揮官である総理大臣の職務代理者であり、国家安全保障会議のメンバー。最高指揮官は隊員の職務遂行に関し、全責任を有する立場。24万自衛官に対し、失礼すぎる暴言だ。20歳台から40歳前半の若者が国防にという崇高な任務を全うしようとするその現場の姿を、シビリアン指揮官が視察しようとするのは当たり前の事。国地方を問わず政治家としては、事あるごとに足を伸ばし、激励を添える。これも国民代表としての義務の一つではないか。また隊員ら自身、これらの勤務状況を国を動かす指導者に実際に見てもらいたいという意識は極めて高い。
 隊の「私物化」とは、隷属を強要された傭兵というイメージを与えかねない。
 視察当日は「折角の休日なのに…」という。
 心配御無用!「有事」に土、日、祝祭日は無い!  (陽)

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