別府市議会の令和3年第3回定例会閉会

各委員長による報告などが行われた
教育長に再任され、あいさつをする寺岡氏

 別府市議会は令和3年第3回定例会の本会議を27日午前10時から再開し、各委員長報告などを行った。
 三重忠昭観光建設水道委員長が「北浜温泉テルマスを廃止することに伴い、委員から廃止及び回数券返金に対する周知方法について、インターネットを利用しない利用者に対しても丁寧に対応するよう、当局に要望があった」などとした。
 森大輔厚生環境教育委員会副委員長が「PCR検査センターの開設期間を12月末まで延長することに伴い、新型コロナウイルス感染拡大防止に要する経費の追加額の説明がなされた。市内の大学生に対して、センターの積極的な利用をお願いしているとあるが、抗原検査キットに余剰がある場合は、大学への配布を検討していただきたいとの意見が出た」。「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度創設を求める請願」の審査について、不採択とすべきと決定したことを報告。
 阿部真一総務企画消防委員長は「大分県より高潮浸水想定区域に指定されたことに伴い、高潮ハザードマップの作成や配送、鉄輪地獄地帯公園に避難所等を併設した防災用備蓄倉庫の整備、あすべっぷ体育館の改修などの説明があった。高潮による浸水が想定される40カ所の自治会に対して配送するとの答弁があった」などと報告。
 荒金卓雄予算決算特別委員長が、持続可能な財政運営、補助金の必要性の検証、移住定住の促進、人員の確保について審議内容を報告して「更なる収支改善に取り組むこと」とし、令和4年度の予算編成等について「コロナ感染症の長期化により、更なる財源確保が必要になることが見込まれるため、事務事業の精査、縮小、廃止等を積極的に行うこと」とした。いずれの委員会も上程議案について「原案通り可決及び認定するもの」とした。
 これに対して、平野文活氏(日本共産党議員団)が、令和2年度の一般会計、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計における決算について「別府西中学校の工事請負費、亀川住宅建て替えの経費に反対。必要な事業だが、入札のあり方に疑問がある」などとした。泉武弘氏(行財政改革クラブ)は、ビービズリンク関連経費や市観光協会、別府商工会議所、市旅館ホテル組合連合会への補助金などについて「これまでも反対し問題点を指摘してきたが、旧態依然とした補助金などを出している。ビービズリンクは、市自らが設立し代表を副市長が務め、多額の負担金や事業委託をしている。官民協働ではなく、行政まる抱えの団体といわれても仕方がない」と厳しく指摘して令和2年度一般会計決算について反対。それぞれ反対討論を行った。
 表決では、一部多数決を行い、全ての議案を原案通り可決した。
 また、任期満了を迎える教育長の任命について、寺岡悌二氏(68)を再任することに同意した。寺岡氏は、総合教育センター所長、朝日中学校長、学校教育課長などを歴任し、平成21年から教育長に就任。平成27年から教育委員会制度が変わり、教育長が特別職になった。前制度期間も含めて、今回で5期目となる。寺岡教育長は「より一層高い教育を目指し、誇りある教育を進めたい。初心を忘れず、誠心誠意務めていきたい」とあいさつをした。
 職員懲戒審査委員会委員に荒金卓雄氏(公明党)、三重忠昭氏(市民クラブ)、阿部真一氏(自民党議員団)、末田信也総務部長、安部政信企画戦略部長を選任することにも同意した。
 議員提出議案では、▽出産育児一時金の増額を求める意見書▽選択性夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書▽地方財政の充実、強化に関する意見書▽コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方税財源の充実を求める意見書ーについて全会一致で可決した。
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 27日午前9時から行われた、議会運営委員会(山本一成委員長)で、市長等の反問権等の取り扱いについて、申し合わせ事項の追加と再確認をした。
 21日に行われた安部一郎氏(自民党議員団)の一般質問の際、長野市長が反問を申し出たものの、すでに質問時間が終わっていたことから、反問が認められなかった。今後、こういったケースを避けるために、今回、申し合わせ事項に、「時間を経過したときは、当然に行使できない」と付け加えた。
 また、「一般質問は、各施策の方針等について、報告及び説明を求め、疑問を質す場であることから、『答弁不要』としたり、『要望』を述べるにとどめるといった質問をしないように努めること」とした申し合わせ事項を再確認した。