星条旗は永遠ならず

 トランプ政権もいよいよ焼きが回って来たなと感じる。国際刑事裁判所(ICC)に公平性や政治的偏見があるとして、赤根智子所長ら13人に米国が資産の凍結など制裁措置を発動した。EUをはじめ自由諸国はこれに大反発している。今秋の中間選挙をひかえ、低迷の一途をたどる支持率の挽回に向けた「焼き」の一手であることは間違いない。
 この人が公平、平等を口にするのは似合わない。大統領就任直後から大国アメリカの「恩恵に感謝しろ」と、法外な関税を諸外国に求めた。発展途上や貧困に苦しむ諸国には力でねじふせ典型的な弱い者イジメ外交。ロシアや中国、最近は北朝鮮にまでソンタクして核保有を認めるなど、超大国自由主義のリーダーとしてあるまじき行動や言動には正直、うんざりする。
 ICCはオランダのハーグに本部を置く。侵略行為や戦争犯罪や国際犯罪などの首謀者(個人)を訴追する機能を有する。加盟は世界125カ国。
 赤根所長は愛知県出身。高検の検事正に就任、東大法学部在学中に司法試験に合格した超エリート、2018年にICC入り、5年前に所長に。アメリカからの「制裁」発生の原因は、イスラエルのネタニャフ首相のガザ地区攻撃という戦争犯罪で逮捕状を出した。アメリカ軍のアフガニスタンでの戦闘行為の検証と捜査の拡大がトランプ氏の気に、全く入らなかった。盟友のネタニャフ氏の逮捕状は、トランプ氏にとって大統領引退後あるいは在職中に同じような対応を取られる可能性を憂慮した為かも知れない。
 国際司法はこれ位の気概があってもいいのでは。「アメリカを再び偉大な国へ」が合言葉だったが、アメリカの「利益」どころか、する事は単なる、ワガママな拝金主義的後期高齢者。また同盟国の最大手、日本の安全保障に関する面では、「北」を尊重する姿勢は実に背信的に映る。
 米国には、陸、海、空、海兵の兵士用に「スターズ・アンド・ストライプス=星条旗」という準機関紙がある。一般にも購読が多い。日刊紙で創刊は南北戦争時代。兵士の本音や時折り反戦的な論調もあり、自由かつ達な記述で有名。この程、中東政策に批判的として、命令服従違反を理由に、国防総省が発行人、編集長ら主要クラス3人の解雇通達を出した。ここまで言論統制の網をかぶせて来た。政権末期の症状が次々に露呈されてきた。
 「『星条旗』は永遠ならず」か。  (陽)