医療機関と更なる連携を

浜崎仁孝消防長からタスキをかけられた一日救急隊長ら(前列4人)

 別府市消防本部は「救急の日」の9日午前9時、市内の医師1人、看護師3人を「一日救急隊長」に委嘱し、救急現場を体験してもらった。今年で33回目。
 救急医療及び救急業務に対する市民の理解を深め、救急医療関係者の意識の向上を図ることが目的。
 4人に委嘱状を手渡した浜崎仁孝消防長は「救急業務の重要性と信頼性は増す一方であり、市民や観光客の皆さまの期待に応えていかなければなりません。また、救急救命士の気管挿管や薬剤投与など救急業務の高度化に伴い医療機関との連携も、さらに充実してまいりたいと考えております。短い時間ですが、業務を体験していただき、医療機関と消防本部との連帯感がますます深まると確信しております」とあいさつ。
 鶴見病院の長嶋大地医師(26)は本署救急隊、別府医療センターの大矢健介看護師(43)は亀川小隊救急隊、中村病院の峰尾はづき看護師(38)は浜町小隊救急隊、別府中央病院の神谷将太郎看護師(25)が朝日小隊救急隊にそれぞれ配属された。
 委嘱式が終わった直後に「救急入電中」との放送が流れ、空気が一瞬にして張り詰めた。本署救急隊が出動となり、長嶋医師が救急隊とともに感染防止衣を着用して、救急車で現場に向かった。
 通信指令室の説明を受けた3人は、本署駐車場で救急車の装備や資器材などの説明を受けようとしたとき、市民から助けを求める「救急入電中」のアナウンスが流れた。「一日隊長」らが感染防止衣を着用して、現場に向かった。待機する「隊長」らは、救急隊員から救急車の装備や資器材などの説明を受けた。
 救急現場から本署に戻ってきた鶴見病院の長嶋医師は「いつも患者を受け取る側。現場を体験して、コロナ禍で止まっている病院もあるので病院の選び方など、肌で感じることができました。救急現場は初めてですが、搬送が早いと感じました。電話など申し送りだけでは分からないことがあります。仕事を進めていく上で勉強になりました。この経験を、積極的に医療現場に伝えていきたい」と述べた。