定数5に6人が立候補で激戦に

 任期満了に伴う大分県議議員選挙の別府市選挙区は、定数5に現職5人と新人1人の計6人が立候補をし、「1人落ち」の激戦となった。
 前回同様、嶋幸一氏(57)=自民党、現=のみが1万票を超える得票となり、トップで5回目の当選を果たした。次いで、原田孝司氏(64)=立憲民主党、現=が4回目の当選、5回目の当選となった戸高賢史氏(52)=公明党、現=、市議から県議にくら替えして初当選を果たした桝田貢氏(33)=無所属、新=、前回獲得した議席を守った猿渡久子氏(64)=共産党、現=が当選。10回目の当選を目指した、荒金信生氏(77)=無所属、現=は、172票差で涙をのんだ。
 杵築市では、現職の阿部長夫氏(71)=自民=が7851票を獲得し、2回目の当選を果たした。別府市の各候補の声を紹介する。

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時代の転換期に責任果たす

トップで5期当選の嶋幸一氏

支持者から花束をもらい喜びを分かち合った嶋氏(中央)

 亀川四の湯町の事務所で大勢の支持者が集まって開票を見守り、当確が出ると大きな拍手で迎えられた。
 首藤靖生後援会長は「うれしくて、涙が出そうで言葉にならない。最初から最後まで、皆さんのおかげです」と言葉をつまらせながらあいさつ。
 嶋幸一氏は「8年前も、4年前も『嶋は大丈夫』と言われ続け、やりにくい選挙だったが、今回は、これまで以上に『安泰だ』と言われ、正直、これまで経験したことがない不安を覚えました。しかし、多くの人がそばにいてくれて、不安を払拭して戦いを進めることが出来ました。温かい支えと力強い行動に感謝します。知事が交代し、時代の転換期。県議の役割も、私の責任も重大。山積する課題を克服し、生活や仕事を守り、ふるさと別府、郷土大分を次の世代にしっかり引き継ぐ道筋をつけなければいけないと思う。柔軟な発想で安心安全な大分県を実現し、別府に元気を取り戻して、大分に新しい活力を創造することの責任を果たしていきたい。まっすぐに正直で信じられる、1人ひとりを大切にする政治を実現していきたい」とお礼を述べ、支持者と握手を交わした。

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立憲民主党の議席確保

原田県議2位で4期目の出発

4期目の当選を喜ぶ原田孝司県議(右)

 原田孝司氏(64)=立憲民主党=が午後11時28分ごろ、「当確」を決め、荘園町の後援会事務所を訪れていた支持者は歓喜に沸いた。
 事務所には、浜田博・前別府市長、三重忠昭市議らが見守った。
 当確を確認して万歳三唱の発声をした宗安勝敏後援会長が「いろいろと懸念する材料はありましたが、皆さんの質の高い選挙戦、原田本人と夫人の2人の4年間の頑張りが大きかったと思います」と述べた。
 宗安後援会長から花束を受け当確を喜んだ原田氏は「今回は本当に皆さん方の勝利だと思っています。今回の県議選、選挙カーで回ったり、いろんな人とあいさつする中で『頑張ってね』『誰々から聞いているよ』という声が多かった。今回の目標は当選すること。次に前回の7158票を超えること。順位を上げることでした。これは後援会の皆さん、センターの組合の皆さん、OB、OG、同級生、鶴見町の皆さん方が声をかけていただいた結果だと思います。今回の当選は4年後の選挙のスタートです。気持ちを新たに頑張ります」と話した。
 事務所に駆けつけた長野恭紘別府市長も祝辞を述べた。

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全力で真心の恩返しを

5期目の当選果たした戸高賢史氏

一緒に戦い抜いた仲間と万歳三唱をする戸高氏(中央)

 荘園の事務所に支持者が集まり、開票の様子を見守った。午後11時半頃、当確が発表されると、戸高賢史氏が事務所に姿をみせ、拍手で出迎えられた。
 市原隆生選対本部長が「先の見えない戦いでした。厳しい選挙でしたが、最後まで皆さんにご支援いただき、感謝します」とあいさつ。遅い時間ということで、静かな声で、その中にも喜びを噛みしめながらみんなで万歳を三唱した。
 戸高氏は「皆さんの強いご支援のおかげです。ありがとうございました。厳しい厳しい戦いでしたが、1議席を守り抜くことができ、ありがたく思っています。今日からが新たな始まりです。真心の恩返しを全力でしていきたい。結束して戦い抜き、1つの山を乗り越えました。皆さんと一緒になって、勝利を祝いたい」とお礼を述べ、グータッチで喜び合った。

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国と市のパイプ役に

桝田県議4位で初当選果たす

花束を受け取った桝田貢県議

 桝田貢氏(33)=無所属=のもとに午後11時30分ごろ、“当確”の一報が届いた。市内のホテルで選挙状況を見ていた支持者と一緒に喜んだ。平成生まれの市議から県議となった。
 万歳三唱後、星野純郎後援会長は「本当に紙一重の勝負。納得がいく票が出てくれたので良かった。県議になったからといって別府市と縁が切れる訳ではない。彼と付き合いのある市議は何人もいる。要望を聞いたら、市で解決できることは彼が言ってもいいし、市議に頼んでやってもらうことも出来る。大分県で何かするとき、それを別府に持ってこれるようにしてほしい。今まで通り謙虚に初心を忘れず、頑張って」と述べた。
 桝田氏は「当確が出たとき、安心し嬉しかった。これからスタートという緊張感が生まれた。県全体のことをしますが、別府市から選出されましたので、別府市を発展させるという思いを持ちながら、務めていきたい。インフラ整備など国に対する陳情をきちっと行い、市の予算も持ってくるように『国と市のパイプ役』という形。その循環が良くなれば政治の循環も良くなると思っている」と話した。
 会場に駆けつけた長野恭紘別府市長も祝辞を述べた。

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公約実現に全力

議席を守った猿渡久子氏

くす玉を割って当選を祝った猿渡氏

 前回の選挙で、共産党の別府市区の議席を奪還した猿渡久子氏は、2期目の当選を果たした。荘園の事務所で開票を見守っていた支持者から、「良かった」「安心した」と喜びの声が聞かれた。
 花束を受け取り、くす玉を割って、みんなと当選を喜び合った猿渡氏は「本当に、ありがとうございました。激戦を勝ち抜かせてもらえたのは、皆さんの奮闘のおかげです。今日も選挙に行きましょうと声かけをしてもらった頑張りが、私を押し上げてくれたと本当に感謝しています。公約実現に、全力で頑張ります」と笑顔で話した。