日本政策金融公庫の中小企業動向調査

中小企業動向調査を発表した日本政策金融公庫

 日本政策金融公庫は「全国中小企業動向調査 中小企業編2020年10~12月期実績、2021年1~3月期および4~6月期見通し」をこのほど、発表した。
 従業員20人以上の企業131社に対して行い、64社(回答率48・9%)が回答した。
 今期(10~12月)の大分県内の業況判断DI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)実績は、製造業は前期(2020年7~9月)より41・7ポイント上昇し、25・0減となった。非製造業は前期より13・3ポイント増加し21・7減。全産業としては、前期より24・3ポイント増の22・6減となった。来期(2021年1~3月)の業況判断DI見通しは、製造業、非製造業ともに減少見通しの影響から、全産業でも引き続き減少見通し。今期に比べて減少幅が大きくなる見通し。来々期(2021年4~6月)の業況判断DI見通しは、全産業で引き続き低くなる見通しとなっている。
 ▽売上DIは、前期から13・8ポイント上昇し、29・0減。来期は29・0減と横ばいで、来々期は増加に転じ1・7になる見通し。
 ▽純利益DIは、前期から1・9ポイント上昇し、22・3減となった。来期は33・9減に低下し、来々期は14・7減となる見通し。
 ▽価格関連DIだが、販売価格DIは前期から12・7ポイント低下し、22・6減。仕入価格DIは前期から21・0ポイント上昇し、28・9となった。来期は、販売価格DIは上昇し、仕入価格DIは低下する見通し。
 ▽金融関連DIでは、資金繰りDIは前期から12・7ポイント低下した。長期借入難易DIは前期から15・0ポイント低下し3・3。短期借入難易DIは前期から11・7ポイント低下し、12・0となった。
 ▽従業員DIは、前期から14・3ポイント低下し、12・7減となった。来期は15・9ポイント上昇し、3・2となる見通し。
 経営上の問題点は、「売上・受注の停滞、減少」が56・4%と最も多く、次いで「求人難」が25・5%となっている。
 同公庫大分支店によると、県内の中小企業の景況は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて厳しい状況が続いているが、持ち直しの動きがある。